IT WAS ALWAYS BURNING ― 2006-08-27
「伊達っちをさがして」のみなせさんにお誘いいただいて、『ムーヴィン・アウト』を観る。
公式サイトの言葉を借りれば「ビリー・ジョエルの名曲とダンスに乗せて送る愛と青春の輝き」なのだが、実際はバレエだった。主要登場人物のせりふは一切なし(おかげで正直、ストーリーがよくわからない部分があった)。何でも2003年のトニー賞で最高振付賞を獲ったそうだが、振付のよしあしがわかるほど目が肥えていないので、「よく飛ぶなあ、おおおすごい回転」という感嘆が先に立ってしまうのだった。ダンサーにせりふがない分、歌うのはぜんぶピアノマンで、このひとの歌はとてもよかった。残念ながら、「ピアノマン」も「素顔のままで」も「オネスティ」も劇中では使われなかったけど。
"We didn't start the fire"は今回あらためて面白かった。1949年のビリー・ジョエルが、自分が生まれた年から発表当時に至るまでの出来事をどんどん並べていく。夫婦で名前が挙がってんのはジョー・ディマジオとマリリン・モンローだけだなあとぼんやり気づいたりする。
途中休憩の時間みなせさんが「フー陥落のフーってどこでしょうね?」と言っていたのは、今歌詞を検索したらディエン・ビエン・フーだった。字幕に出すには長すぎたのだろう。わからないねたはたくさんあって、最初のほうに出てくるサウス・パシフィックとか、アラバマってアラバマ州なのかとか、「ロックンローラーとコーラ戦争」って何なんだろうとか、数え上げればきりがない。
いくつかのボクシングねたも登場する。シュガー・レイはシュガー・レイ・レナード、マルシアーノはロッキー・マルシアーノで、「リストンがパターソンを負かした」というのは、フロイド・パターソンが1ラウンドKOで負けた試合だ。いやー年をとるってわかるねたが増えるってことだなあ。でもモハメド・アリは出てこない。
それにしてもこの歌でビリー・ジョエルは"We didn't start the fire"と歌っているのだった。この歌がヒットしたというのは、曲のおもしろさはもちろんだけど、この歌が発表されたときのビリー・ジョエルを聴くファンの人々の心情にフィットした、ということなんだろうか。「俺たちが火をつけたわけじゃない/気がついたときにはもう燃えていた/俺たちが火をつけたわけじゃない、本当だ、つけてない/でも何とかここまで戦おうとしてきたんだ」
ぜんぜん関係ない話をひとつ。このあいだ読んだ『私家版・ユダヤ文化論』で著名なユダヤ人ミュージシャンを列挙する部分がある。ボブ・ディランとかポール・サイモンとか。ビリー・ジョエルの名前ももちろん挙がっていた。
それで思い出したんだけど『Mr. & Mrs. スミス』で、お互いに隠れて殺し屋をやっていたことがわかったブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリー演じるスミス夫妻が、毒を食らわば何とやら、これまで相手に隠していたことをどんどん暴露するシーンがある。実は料理は部下につくらせてたとか、MIT卒っていうのは学歴詐称で本当は美術史だか何かを専攻してたとか、本当は孤児で…とか。
このシーケンスは、アンジェリーナ・ジョリー演じるスミス夫人の"I'm Jewish."というせりふで終わる。スミス氏の反応は描かれないままだ。ユダヤ人であるっていうのは、暴露のいちばん最後に来るようなことなのか…と思わないでもない。
公式サイトの言葉を借りれば「ビリー・ジョエルの名曲とダンスに乗せて送る愛と青春の輝き」なのだが、実際はバレエだった。主要登場人物のせりふは一切なし(おかげで正直、ストーリーがよくわからない部分があった)。何でも2003年のトニー賞で最高振付賞を獲ったそうだが、振付のよしあしがわかるほど目が肥えていないので、「よく飛ぶなあ、おおおすごい回転」という感嘆が先に立ってしまうのだった。ダンサーにせりふがない分、歌うのはぜんぶピアノマンで、このひとの歌はとてもよかった。残念ながら、「ピアノマン」も「素顔のままで」も「オネスティ」も劇中では使われなかったけど。
"We didn't start the fire"は今回あらためて面白かった。1949年のビリー・ジョエルが、自分が生まれた年から発表当時に至るまでの出来事をどんどん並べていく。夫婦で名前が挙がってんのはジョー・ディマジオとマリリン・モンローだけだなあとぼんやり気づいたりする。
途中休憩の時間みなせさんが「フー陥落のフーってどこでしょうね?」と言っていたのは、今歌詞を検索したらディエン・ビエン・フーだった。字幕に出すには長すぎたのだろう。わからないねたはたくさんあって、最初のほうに出てくるサウス・パシフィックとか、アラバマってアラバマ州なのかとか、「ロックンローラーとコーラ戦争」って何なんだろうとか、数え上げればきりがない。
いくつかのボクシングねたも登場する。シュガー・レイはシュガー・レイ・レナード、マルシアーノはロッキー・マルシアーノで、「リストンがパターソンを負かした」というのは、フロイド・パターソンが1ラウンドKOで負けた試合だ。いやー年をとるってわかるねたが増えるってことだなあ。でもモハメド・アリは出てこない。
それにしてもこの歌でビリー・ジョエルは"We didn't start the fire"と歌っているのだった。この歌がヒットしたというのは、曲のおもしろさはもちろんだけど、この歌が発表されたときのビリー・ジョエルを聴くファンの人々の心情にフィットした、ということなんだろうか。「俺たちが火をつけたわけじゃない/気がついたときにはもう燃えていた/俺たちが火をつけたわけじゃない、本当だ、つけてない/でも何とかここまで戦おうとしてきたんだ」
ぜんぜん関係ない話をひとつ。このあいだ読んだ『私家版・ユダヤ文化論』で著名なユダヤ人ミュージシャンを列挙する部分がある。ボブ・ディランとかポール・サイモンとか。ビリー・ジョエルの名前ももちろん挙がっていた。
それで思い出したんだけど『Mr. & Mrs. スミス』で、お互いに隠れて殺し屋をやっていたことがわかったブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリー演じるスミス夫妻が、毒を食らわば何とやら、これまで相手に隠していたことをどんどん暴露するシーンがある。実は料理は部下につくらせてたとか、MIT卒っていうのは学歴詐称で本当は美術史だか何かを専攻してたとか、本当は孤児で…とか。
このシーケンスは、アンジェリーナ・ジョリー演じるスミス夫人の"I'm Jewish."というせりふで終わる。スミス氏の反応は描かれないままだ。ユダヤ人であるっていうのは、暴露のいちばん最後に来るようなことなのか…と思わないでもない。
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