誰が誰やら ― 2009-06-21
私はターミネーターは2までだという古いタイプで、キャメロンが監督してない3以降はまったく別物、『ヤング・スーパーマン』とか『ヤング・インディ』みたいなテレビシリーズと同じ位置づけのものだと思っている。そういう意味では、ターミネーターがもはやシュワルツェネッガーのものではないことには何の異論もない。もしエディ・ファーロングがターミネーター3に主演していたらジョン・コナーは彼にしかできない役柄になっていたかもしれないが、ニック・スタールになった時点で『ターミネーター』シリーズは誰が監督して誰が主演でもいいってことになったものと。ウェルメイドな娯楽作品でありさえすれば。
今回は何となく思い切りの悪い脚本で、このネタだったらジョン・コナーの出番なんて終盤だけでいいから、マーカス・ライトと若き日のカイル・リースで話を進めればいいのでは。いっそラジオの声だけでもいい、その方がジョン・コナーの神話性も増すというものだ。キャスティングにも問題があって、マーカスとカイルははまっているが、ジョン・コナー=クリスチャン・ベイルはー…まあこれは趣味の問題が大きいのでさておくとすると、ジョンの妻ケイトを演じたブライス・ダラス・ハワードがあまりにもどうでもいい役でがっかり。いるだけ。忠実な副官を演じた黒人青年はアンジェリーナ・ジョリーの『ウォンテッド』でも同じ役をやっていたが、本業はラッパーだそうで、こんな役ばっかりやってるくらいならさっさとおうちに帰った方がいい。マイケル・アイアンサイドも出てきただけの役。マーカス・ライトとカイル・リースがよかっただけに、惜しい。あ、ヘレナ・ボナム・カーターはそう来たか! という感じ。
それにしても、スカイネットは何でそんなに人類を殺したいのかね。話によれば核戦争を始めたのはスカイネットの方なのだから、なんかそれなりの理由があってもよさそうなものだ。革命でも解放でもいいけどさ。『山椒魚戦争』の山椒魚たちには戦う理由も必然性もあるが、スカイネットにはない。ハンターキラーに浚われてサイバーダイン社の奥深くへ潜入すると死に絶えたはずの緑が再生してるとか、寂しくなって恋人を作ろうとするとか、マーカス・ライトがスターチャイルドになるとか、何か「人類を抹消する」以外の目的がないと、ホントに『マトリックス』へ繋がって終わっちゃうんじゃないか?