働く女3 ― 2008-12-21
『第一容疑者』が本命なら、対抗は『Spooks』のようだ。英国情報部MI5の架空の部署セクションDを舞台にした単話完結のサスペンスドラマで、つい二週間くらい前に第7シーズンが終わったところだ。日本でもBS11で放映していた模様。
ロンドン滞在中にたまたま見たのが面白かったのでシーズン4と5のボックスセットを買って帰ってきたのだが、メインキャストに入れ替わりのあるシリーズらしく、やたら目つきがきつくて格好良かったリチャード・アルミタージュは出ていなかった。残念…次回出張時にはシーズン7のボックスセットも出ているだろうから、6と7を合わせて買ってくるつもり。あっちはホントにDVDが安い。(ていうかまだロンドン行かされるのか。そうなのか)
このシリーズではセクションDが英国国内での様々な事件に対処する。対テロのネタがいちばん多く、爆発やら銃撃戦やらもそれなりに含み、かつ脚本もなかなかいい、緊迫感のあるサスペンスだ。よくできたエンターテイメントではあるのだが、同時に、ハッピーな話は多くない。人もよく死ぬし、ドラマとしては五十代のリーダー、三十代の男性と女性のリーダー格がひとりずつ、それと残りのメンバー達というキャストが基本のようだ。
シーズン5からの主要キャストのひとりがロス・マイヤーズで、ちょっと冷たい雰囲気の三十代後半ブロンド美女、オフィシャルサイトのキャラ紹介に"utterly uncompromising, ruthless and will do anything for what she believes to be the 'greater good'."と書かれるような仕事一徹キャラだ。シーズン6までの男性リーダーだったアダム・カーターと色々あったようで、アダムの死について感情的になるシーンなどは少々あるものの、それ以外では仕事してるシーンしか出てこない。笑顔は少なくあるいは作為的で、まだ若い女性諜報員であるジョーが悩んでいれば「私たちは男がしない経験もするわ、彼らよりもタフでなければ」と諭し、アダム亡き後のセクションDのリーダーとしてみずから囮捜査もやる。…イギリス人はこういう女性像が好きなんだろうか。日本のドラマの文法でいえば、あるいはハリウッドの文法でも、好感の持ちようがないキャラになりそうなもんだけど。
見た目で言えばリチャード・アルミタージュ演じるルーカス・ノースの方が好きだが、シリーズとしていちばんオススメできるのはシーズン5と思われる。シーズン6は見ていないがイマイチという評判で、それは、アダムとロスというメインキャストが微妙な関係になってしまったことと無関係ではないだろう。話をドライブするのに職場恋愛が必要だということになったんだったらあんまり面白くないと予想されるし、シーズン7でアダムが死にルーカスが登場したのは、その辺の成り行きを考慮してのことだろう。シーズン7はYouTubeで補完したが、何かこう負け戦っぷりが痛々しい感じになりつつある。
私が気になっているのはロス・マイヤーズのいまいち真面目すぎる感じだ。『ウォンテッド』でアンジェリーナ・ジョリーが演じたフォックスもそうだったが、自分のやっていることが善であると信じ、そのために邁進し、プライベートを犠牲にするセクシーな女たち。懐かしい話だが『ワンピース』のニコ・ロビンなんかもそうかもしれない。生活感なさすぎ、化粧品買ってるとこも想像できない感じ。「正義のためにプライベートを犠牲にするセクシーな男」の話にはないエクストリームな感じを受けてしまうのはどうしてなんだろう?と思うと、やっぱり『第一容疑者』のジェーン・テニスンが頭に浮かぶ。テニスンに較べると、ロス・マイヤーズやフォックスには「犠牲にされているプライベート」を想像させるだけの何かがないのだ。そしてその代わりに「美人」であるように見える。…ワーキング・ミューズ?
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