タクシードライバー2008-01-07

…おわ、今週ひとつ面接があるんだが、転職面接の場所が今の会社のすぐそばだ。遠回りして行くか…。仕事初めからこれか、先が思いやられるなあ。

昨日アヤメさんに「お金の無駄ですよ」と言われたが、『記憶力を強くする』とか言われると、ついつい手が伸びてしまう。買ってから気がついたが『進化しすぎた脳』の人だった。記憶が海馬に関係あるとか、シナプスの電気が…とか何となく知ってはいるが、というあやふやな知識をわかりやすく復習できる。
紹介されていた実験でいちばん面白かったのは、24,000もある通りを記憶しているというロンドンのタクシー運転手の脳を調べた実験だ。30年のキャリアがあるタクシードライバーは平均して、海馬の部分が3%ほど膨らんでいるんだそうだ。鍛えれば鍛えられるというわけだ。この実験は本の最初の方で紹介されるのだが、「脳細胞は死んでいく一方だって言うしねぇ」と落胆しがちな大人にとっては、確かに心強い実験結果だ。
結論だけを言うと、きちんとした手順で努力を継続することが大事、という教訓じみた話に落ち着いてしまうのだが。もっとHacks的な、「日常的に継続することが知らず知らずに効果的な、ささやかだけれど役に立つこと」があればいいなあと思ったんだが、そう甘くはなかった。

ロンドンだけではなくパリのタクシー運転手も大変な記憶力を要求されるはずで、タクシー運転手になるための最後の試験は口頭試問で、確か、パリ市内に張り巡らされた通りの名前を挙げて、A地点からB地点に行く間に横切る通りの名前をすべて答えてみせるというものだった。通りに名前がついているのが当たり前だからこそできる試験だ。しかも、十四丁目とか十二番街とか数字がついていることが多い場合はあまり意味がないだろう(ニューヨークのタクシー運転手というと思い出すのはロバート・デ・ニーロなので、古びたタンカースを着て「眠れないんです」と志望動機を答える復員兵でもなれるというイメージなのだが)。東京では、天気予報が今夜もはずれた話と野球の話ばかり何度も何度も繰り返してほしい。そんな運転手にお目にかかったことはないが。

…いざとなったらタクシーで行くという手がなくもないか、面接。