ラストチャンス ― 2008-05-21
そうか、何で今ごろ『ヒート』のDVDを再発してくれんのかと思ったら、それもそもそも"Righteous Kill"のためだったんだな…。
"Righteous Kill"はフランス映画『あるいは裏切りという名の犬』のリメイクだ。
パリ警視庁を舞台に、かつては親友だった二人の男が辿る運命の話。仲間からの信望が厚い現場の男レオと、権力欲の強い策略家のドニ。かつて奪い合った美貌の女医カミーユはレオの妻となっていて、ドニはそのことを今も忘れてはいない。今では二人が争うのは長官の椅子だ。そこへパリ市内で現金輸送車強奪事件が続発する。
原題は『オルフェーヴル河岸36番地』と言い、日本で言うなら「桜田門」とつけるようなものだ。冒頭、もうすぐ引退して南仏に引っ込むという仲間のために、警官が二人、オルフェーヴル河岸36番地の標識を引っぺがして盗んでくるシーンがある。仲間意識の強い警官たちのバカ騒ぎが幸福なシーンだ。物語の中盤くらいで思い返して切なくなるには最高だ。
脚本はいささか弱いところもあるが、骨太な警察映画の少なくなった最近ではなかなかのヒットだった。
この映画のリメイク権をデ・ニーロが買ったというニュースが流れた時には「パチーノ対デ・ニーロ!」と思ったが、その後ジョージ・クルーニー対デ・ニーロと報道されて熱が冷め、よく考えたらパチーノもデ・ニーロも年を取りすぎじゃないか、とそのまま忘れていた。
何と、今ごろパチーノ対デ・ニーロふたたび、とは。本人たちもまだ覚えていたのか、それとも、昔のことは忘れたふりをすると決めたのか。高校生の頃に好きだったが今は全然売れてないバンドの再結成ライブみたいな気分もあり、期待していいのかどうか、素直に楽しみに思うよりはちょっと怖い。
いい映画だといいなあ。予告編を見ると、二人ともさすがに年だし(67歳と68歳)、間違いなくこれがラストチャンスだ。逆に、これがいい映画だったら、もう二人とも引退してくれたってかまわない。どうせ最近、大した仕事してないんだしさ!