Reading Materials2008-03-04

先月がすごかったので今月は自重しようと思っていたが、本屋があいている時間に仕事が終わったのでひととおり見て回る。で、平積みになっているのを見て思わず買ってしまったよ『ブルーザー・ブロディ 私の、知的反逆児』

このあいだともいさんと映画を観たとき、早川書房はがんばってはいるが業績はふるわないようだという話をしていて、早川書房がそれなら東京創元社はどうなるんだと思っていたのだが、驚いたことに『禅とオートバイ修理技術』がハヤカワから文庫化しているではないの。松岡正剛の千夜千冊でも取り上げられているが、1990年にめるくまーる社から出たこの本は古本でしか買えなくなって久しい。それが文庫化。めでたい。
数年前に『雪豹』も文庫化してたし、ひょっとして精神とランドスケープのシリーズを全部文庫化してくれるのかな。このシリーズは面白いのが多いのだけど、だいぶ前に本屋で見なくなってそれきりになっていた。 『ウィダの総督』だけまだ持ってないので是非お願いしたい。

借りた漫画の感想など。
よしながふみ『きのう何食べた?』はモーニングKCなのに中身がボーイズラブだよびっくりした…。四十をちょっと過ぎたゲイのカップルの日常生活を描きながら、毎回料理のシーンが出てくるという趣向。これホントにモーニングで連載してるのか。ほのぼのだし、ゲイであることを両親に理解されないというネタなどリアルゲイ寄りっぽい作風ではあるのだが、そうは言ってもボーイズラブの範疇だろうこれ…。
もう一点びっくりしたのが、片割れのカップルが料理を作るときのモノローグが完全にレシピ解説番組と化していて、普通の意味での「モノローグ」とは到底思えない点。何のメタフィクションかと思ったが、これがあることで「ゲイのカップルの日常生活もの」だというのが少し薄まって、青年誌でも連載しやすいものになってるのかなと思う。
それにしても、何で青年誌でボーイズラブなんだろう。

羽海野チカ『3月のライオン』。大ヒットした『ハチミツとクローバー』は未読。いろいろあった末に心を閉ざして生きるようになった十七歳のプロ棋士と、下町に暮らす三姉妹の交流。こちらでびっくりしたのは、銀座でホステスをしながら妹たちの面倒をみている長女のあかりさん。おっぱいとお尻がすごく立派に描かれていた野で驚いた。世間の評判など耳にして、てっきり、もっと性別を強調しない漫画を描くのかと思っていた。
モノローグの入れ方が甘ったるく感じられて気になる点はあるものの、今回借りた中ではいちばん面白かった。

ヤマシタトモコ『くいもの処明楽』は紛うことなきボーイズラブ。ちゃらんぽらんな居酒屋店長が無愛想なバイト店員に告白されて恋人になるまでの連作短編とその他の短編。設定など作りこんであるようなのに、扱いがさらっとしていて、ちょっと食い足りない感じ。雰囲気で流すよりも日常ネタを作りこんでくれたらいいと思うのだが。