Keep tight lines2007-11-24

横浜市金沢区の海の公園で凧を揚げる。快晴。午前十一時半ごろ公園の南口から砂浜に出るも、風はなし。ウィンドサーファーの皆さんも所在なさげに漂っていた。凧揚げの準備を進めている男性がいたのでお話を伺ったところ、だいたい午後になれば吹いてくるというので、いったん金沢八景駅まで戻ってお昼ごはん。生まれて初めてのケンタッキーフライドチキンでした。味はうーん… 骨が結構細かくて、呑み込んでもいいのだがどうしようかと迷ってしまう感じ?

戻って凧揚げ。アヤメさんはお手製のコナインのデルタ・カイト、私はアヤメさんの悪趣味号をお借りすることに(さっさと自作せねば、それにエンジェルもほしい)。デルタ・コナインは幾何学的にとてもシンプルで美しく、晩秋の空にピンクと白がよく映えて大層きれいだった。浜千鳥の群れが一斉に向きを変えるとき銀色に光る穏やかな渚の向こうに八景島シーパラダイスのアトラクションが見えていて、低い煙突から立ち上る煙の向きで風を見る。防風林の木々のためか鳶の多い浜辺で、悠々と旋回するのが下からよく見えた。
デルタ・コナインは素材のせいか、透き通った明るい色で旋回するのがとてもいい。一方で悪趣味号はちらちらと色を変えつつ、より上へ上へと動いていく感じ。アヤメさんに糸を巻き取って高さを上げる方法を教わり、しばらく練習。おお、いい感じ。四時前には風は止みつつあったので帰る準備をしていたところ、居合わせた地元のカイトフライヤーのおじさんに凧を二基、頂くことに。赤い地にくっきりと描かれた「大入」の文字に来年の干支をあしらった、縁起の良さそうなもので、新春凧揚げが今から楽しみである。

シーサイドラインの高架線に沿って徒歩で金沢八景駅まで戻り、京急線で品川まで。京急線っていいね。立ち並ぶマンションやビルの壁を照らしていた西日の暖かい色が暮色に変わるのがよくわかる。アヤメさんが京急線のCMソングか何かをおすすめしていたけど、何だったっけなあ。

そうそう、『雨の日の釣師のために』という釣り文学アンソロジーをお借りしてしまった。これはホントに楽しみ。時間のある夜に少しずつ、じっくり読ませて頂きます。
さっそく読んだ冒頭は開高健による「雨も愉し」。短いエッセイの最後に、開高健は釣り師の別れの挨拶を引いている。Keep tight lines!
糸をぴんと張っておけ。これ、カイトフライヤーの別れの挨拶にも使えそうじゃない? ちょっと違うか。